宮崎市中心部の歓楽街・ニシタチにある店や関係事業者による「ニシタチまちづくり協同組合」(宮崎市橘通西)が「心のバリアフリーマップ」を制作し、4月6日から配布を始めた。
事故による頭部打撲や脳卒中などで脳の一部が損傷し、記憶障害や注意障害、失語などの症状が現れる高次脳機能障害者も、「安心して飲食を楽しめるよう配慮した」という同マップ。例年発行している、観光客や出張者が夜の街をスムーズに楽しめるよう店舗情報や地図を掲載したガイドマップ「ニシタチ夜な夜なMAP」の最新版として制作。障害の有無にかかわらず誰もが安心して過ごせる接客に賛同した店舗に、独自の「心」マークを記載している。
制作のきっかけは、「みやざき高次脳機能障害家族会あかり」会長の飛田洋さんからの提案。飛田さんは「車いす利用者向けの物理的なバリアフリーマップはあっても、外見から気づかれにくい障害に配慮した飲食店マップはない。食は人間の根源的な欲求。繁華街で気持ちよく過ごすことができれば、社会復帰への大きな力になる」と、齊藤さんに思いを伝えたという。
制作の最終段階での提案だったが、齊藤さんは「本年度から実現したい」と急きょ対応。短期間の呼びかけにもかかわらず、掲載77店舗のうち14店舗から賛同を得た。
同組合の齊藤友亮理事長は「このプロジェクトは、単なる障害者向けマップの制作にとどまらない。店側は、全ての人へのハートフルな接客スキルを見つめ直す機会になった。当事者は安心して外食を楽しめる環境が広がる。活動を通じて街の誰もが障害への理解を深める『三方よし』の取り組みを通じて、宮崎の温かさという価値を再発見したい」と話す。
飛田さんは「全国の家族会の仲間に聞いても、こうした取り組みは例がなく、前例のない先駆的な取り組みに協力いただけた皆さまに深く感謝している」と話す。齊藤さんは「マップを作って終わりではなく、勉強会などを通じて店側の意識を高め続ける仕組みを作っていきたい」と、今後の展望を見据える。
同マップには警察(宮崎北警察署)が事務局として関わっているのも特徴。反社会的勢力の排除や客引き禁止など、厳しい審査をクリアした店舗のみを掲載している。
市内のホテルや旅館、宮崎ブーゲンビリア空港などで配布している。