数年前からの韓国ブームで、全国で人気が高まっている韓国料理。その波は宮崎にもやってきている。繁華街を歩けば「ヤンニョムチキン」や「チーズキンパ」といった韓国料理の名前を目にすることも多いはず。そこで今回は、ひなた宮崎経済新聞でインターンをした宮崎大学地域資源創成学部3年の小畑翔が、宮崎市にある韓国料理店の中でも本場感を追求した韓国酒場「ミレシジャン」を取材した。

　取材を受けてくださったのは、店主の高木亮太さん。同店は2022年1月24日にオープンしたばかりの韓国酒場だ。

高木さんは元々、三重県に在住で「bells」という人材派遣会社を設立するために宮崎に移住。実は当初、韓国料理店を開くという目的はなかったという。しかし、宮崎に来て韓国料理店が少ないことから、ビジネスチャンスを感じ同店をオープン。高木さんは、メニューや店内外の至るところにこだわりを持っていると語る。

一足踏み入ると宮崎であることを忘れてしまう“本場らしさ”

　

店の外観には、ひらがなは一切使われていない。そして、店内に入るとドラム缶テーブルがずらり。そんな店内で過ごしているといつの間にか韓国に旅行に来ているのかと錯覚してしまうほどだ。このこだわりは、高木さんが「お客さまに、料理だけではなく雰囲気までも韓国を味わってほしい」という思いから生まれたものだ。

　ちなみに高木さん曰く、ドリンクの中でも店で一番味わってほしいというのが「釜山生マッコリセンタック」というマッコリ。このマッコリは宮崎ではもちろん、日本国内を見てもほとんど扱っているお店がないほどレアなマッコリなのだとか。そのレア度は福岡の酒屋が「入荷元を知りたい」と聞いてくるほどだ。  

本場さながらのスタイルでいただく、韓国料理

　本格な韓国料理を追い求めている店内でひときわ目を引くものがある。それが同店の看板メニューでもある「ドラム缶焼肉」に使用されるドラム缶テーブルだ。このドラム缶は本場韓国から取り寄せているという。

　

店内にはさまざまな焼き肉メニューがあるが、まず定番はスライスした豚バラを焼いて食べるサムギョプサル。こちらも現地さながら、基本は店員が客の前で調理し、できあがったものをサンチュやエゴマの葉、ニンニクなどと共にいただく。これだけでまるで渡韓したような気分に。

　また、焼肉の中でも元祖韓国みそダレと宮崎鶏焼きをコラボさせた「自家製“韓ダレ”鶏焼肉」は、高木さんも入魂の一品。高木さんの祖国でもある韓国のコチュジャンに、韓国ダレ、三重県の赤みそ、宮崎鶏といった、高木さんのルーツともいえる3か所の特産をあわせたメニューだ。

若者の間で流行る韓国ブーム、一方で高木さんのターゲットは…

　韓国好きな若者やコロナ前に韓国に足繁く通った人をターゲットとしていそうなほど、本場の空気感を追求した同店。

　そんな中で高木さんがあえてターゲットとしているのは“おじさん層”なのだとか。高木さんは、「コロナウイルスの影響で、今では考えられない“ワイワイガヤガヤ騒いで酔っ払って帰るという風景をもう一度見たい”という思いがある。なので、そういった光景を実現させるためにも、この店では飲んでワイワイと楽しい時間を過ごすのが好きな“おじさん”層にも受けそうなメニューを置いている」と話す。

未来を見据えた新しい韓国酒場「ミレシジャン」

　店名でもある「ミレシジャン」は直訳すると「未来市場」という意味となる。これは、同店が店を構える「青空市場」が由来で、「青空」を表すぴたりとくる韓国語がなかったため、「ミレ（未来）」を採用したそうだ。

　高木さんは、「10年20年と続く店にしていきたいのはもちろんのこと、自分自身も40歳までに海外移住を考えている。そのためにあと4年でどうやって海外にいながら日本で飲食店を経営していくか、その術を今模索している」と今後の展望について語っている。「その第一歩として、まず今年1年で４店舗ほどまで増やせるのが理想。またランチや韓国のスーパー、ビアガーデンなど様々なジャンルの韓国を提供していき、『宮崎で韓国といえば高木』と思ってもらいたい」とも。高木さんの思いが起点となって、宮崎の至るところで韓国カルチャーのムーブメントが起こる日もそう遠くないだろう。

 

【ミレシジャン】

インスタグラム： https://instagram.com/mileshijan_bellsllc?igshid=YmMyMTA2M2Y=

住所：宮崎県宮崎市橘通西 2 丁目 7－20

電話番号：0985-71-3003

営業時間：平日＝17時～翌3時（日曜・祝日は24時まで）

定休日：毎週水曜日