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宮崎の「貸本輝らら」、看板猫に支えられ20年目へ 海外からの来店客も

(画像右から)看板猫のチビ、ピュア、ココア

(画像右から)看板猫のチビ、ピュア、ココア

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 レンタルコミック「貸本輝らら」(宮崎市昭和町、TEL 0985-29-0922)が8月1日、19周年を迎える。

店の入り口で客を出迎えるのチビ

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 店主の吉谷千鶴子さんが2001(平成13)年にオープンした同店。店内には『巨人の星』『火の鳥』といった懐かしの漫画から、『鬼滅の刃』などの新作まで、数万冊を取りそろえる。吉谷さんは「当時中学校に通っていた息子のために始めた。店名は息子の名前『龍輝』(りゅうき)の『輝』を取り、『輝らら』と付けた。当時は1日40~50人程度のお客さまがいて、返却された本を本棚に戻す時間がないほどの忙しさだった。時には貸し出す本を袋に入れたり、返ってきた本を並べたりと、お客さまが手伝ってくれることもあった」と話す。

 しかし、貸本需要の低下や景気の低迷を受け、5年目を迎えた頃には売り上げが5分の1にまで減少。市内に10店舗以上あった貸本店はほとんどが閉店し、吉谷さんも閉店を考えたが、ある日来店した女子中学生が、雨の中で捨て猫を拾ってきたことがきっかけで、店を続けようと決意した。「客商売なので店では飼えないと思ったが、『引き取ってほしい』と泣く女の子を突き放すこともできず、一緒に飼い主を探すことを条件に預かった。結局飼い主が見つからず、店で飼い始めたのが初代の看板猫『トム』。それから看板猫が3匹に増え、常連のお客さまが手作り衣装を着せると評判になり、猫好きなお客さまが増えた」と振り返る。

 一連の出来事は新聞やテレビで「猫の恩返し」と話題になった。北海道やハワイからも看板猫に会いに訪れる人や、猫を抱いて泣く人もいたという。

 トムが他界し、現在は「チビ」「ピュア」「ココア」の3匹が客を出迎える。吉谷さんは「猫がいなかったら、とっくに閉店していると思う。猫がいることで心癒やされ、励まされるというお客さまもいる。私もそうしたお客さまの笑顔に助けられている」と話す。

 営業時間は14時~22時。レンタル料は、9冊まで=2泊3日で1冊70円~、10冊=7泊8日で600円(新刊除く)。休業情報はフェイスブックとインスタグラムで更新する。

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