チキン南蛮とクレープを販売するキッチンカー「こころきらり」が営業を始めて、10月3日で2カ月がたった。
鶏むね肉、山之口町の「大杉しいたけ園」のシイタケを使用した「なかよし南蛮丼」(850円)
店主の佐藤優菜さんが母親と共に店を切り盛りし、妹も仕事が休みの日に手伝うという。米は父親が育てたコシヒカリを使うなど、家族で店を支える。優菜さんと妹は幼い頃から母親が作るチキン南蛮が大好きで、「いつか店を出してほしい」と話していたという。「当初は店舗を探していたが、思うような物件が見つからなかった。場所を移動しながら料理を届けられるスタイルに魅力を感じ、キッチンカーでの開業を決めた」と優菜さん。
開業準備では、車の大きさや車内で揚げ物をするための設備など、さまざまな課題があったという。そうした中、和歌山県のキッチンカーデザイン会社「studio SENSE」に相談したところ、思い描くキッチンカーを形にしてくれたという。完成した車両は、優菜さんが望んでいた「部屋をそのままいろいろな場所へ持って行くような車」に仕上がった。
メニューはご飯物のほか、スイーツ、ドリンクをそろえる。「チキン南蛮丼」「なかよし南蛮丼」(以上850円)、「チキン南蛮クレープ」(700円)、「シュガーバタークレープ」「ホイップクレープ」(以上500円)などを用意。
チキン南蛮は、宮崎県産もしくは鹿児島県産の鶏むね肉を使い、かつてレストランのシェフをしていた叔父から受け継いだレシピを基に、母親オリジナルのタルタルソースをかけて仕上げる。「野菜をたくさん食べてもらいたいと、野菜をふんだんに使う。砂糖を加えずに作ってきたタルタルソースで、子どもたちが大好きだった味」と母親は言う。
優菜さんのお薦めは、チキン南蛮とシイタケ南蛮を盛り合わせた「なかよし南蛮丼」。シイタケ南蛮も優菜さんたちが幼い頃から母親が作っていた料理で、山之口町の「大杉しいたけ園」のシイタケを使う。
チキン南蛮と並ぶ主力商品がクレープ。クレープを販売する店で働いた経験を持つ優菜さんが腕を振るう。チキン南蛮を包む総菜系から、シュガーバターやホイップを使った甘いクレープまで、「どのメニューにも合う」生地を目指し、半年以上、試作を重ねた。小麦粉と水の割合、砂糖の種類や量、焼き加減などを家族で調整してきたという。優菜さんは「買って帰ったお客さまが『おいしかった』とすぐに戻ってきて、もう一度買ってくださったこともあった」と話す。10月からは「シュガーバター3きょうだい」(各600円)として、抹茶、ほうじ茶、紅茶の3種類を新メニューに加えた。
店名は、家族が飼っていたダックスフンド「こころ」にちなむ。「今は一緒にいなくても、こころとは心でつながっている。お客さまとも、心でつながれる店になれたら」と優菜さん。キッチンカーには妹が描いた「こころ」のイラストをあしらう。愛犬を連れた客が訪れ、「こころ」の話をきっかけに会話が生まれることもあるという。
現在は県総合文化公園(宮崎市船塚3)を中心に、イベントや高齢者施設などにも出店する。優菜さんは「いろいろな場所に行きたい。高齢者の方がおいしそうに食べてくださる姿を見るのも幸せ」と話す。冬に向け、父親が育てるトマトを使ったスープなどの新メニューも構想中だという。
営業日と時間はインスタグラムで知らせる。