菓子専門店「emies(エミーズ)」(小林市本町)がオープンして、10月12日で1カ月がたった。
同店は「子どもに食べさせたい体に優しいおやつ」をコンセプトに、「素材の風味を生かした」ケーキや焼き菓子、ベーグルなどを週に一度、テイクアウト販売する。
店主は東京都出身の田地絵美さん。田地さんは2013(平成25)年に小林市に移住し、今年で13年目を迎える。3年間、地域おこし協力隊として菓子づくりを通した活動に取り組んだ。移住のきっかけは、2011(平成23)年の東日本大震災。当時暮らしていた東京で食料や日用品の調達が困難になったことだという。田地さんは「震災があれば都会でもこんなにもろいのかと身を持って知った。自分で畑を耕し、食物を育てる生活に憧れた」と振り返る。知人から同市が地域おこし協力隊を募集していることを聞き、「子どもたちがまだ小さかったこともあり、移住に踏み切った」と話す。
協力隊時代から、イベントや市役所などでの出店販売、同市内のカフェ「E-village(イーヴィレッジ)」などでの委託販売を続けてきた。「販売を通して地域でのつながりも増えた」という田地さん。「つながりを機に、このスペースを借りることができた」と話す。4人の子どもを育てる田地さんは「移住してからも家事や育児で忙しく過ごしていたが、ようやく子どもたちに手がかからなくなってきた。『地元の人と直接話して販売する場所を作りたい』とずっと思っていたため、念願がかなった」と話す。店のロゴには、四男が描いたイラストを使っている。
同店では、ナッツタルト、チーズケーキ、ガトーショコラ、キャロットケーキなどのケーキをはじめ、米粉ベーグル、グラノーラ、スコッキー、ガレットブルトンヌなどを販売する。材料には九州産小麦粉、鹿児島産粗糖、圧縮一番搾り菜種油など、「できる限り自然に近い材料」を使っているという。「自然の恵みで作るのが好きで、グルテンフリーを求める客も多いため、需要に応えて作っている。もともと焼き菓子を作ることが好きだったが、リクエストに応えてチーズケーキなども作り始めた。自分の作りたいものと、お客さまが求めているものがバランスよく並ぶように心がけている」と田地さん。
来店は地元客が多く、田地さんの子どもの習い事を通じた知り合いや、出店仲間もいるという。委託販売先で商品を買っていたという客が訪れた際には、「『ナッツタルトはあなたが作っていたんですね』と言われた。私個人よりも商品の方が知られているかもしれない」と田地さん。「小林市の人たちと環境、どちらも好きなので、東京に帰りたいとは思っていない。営業日や営業形態についてはまだ考えていることもあるが、自分のやりたいことをここで続けていけたら」と意気込む。
営業時間は11時~15時。土曜か日曜のいずれか営業。営業日はインスタグラムで確認できる。