「第15回全日本ホルスタイン共進会九州・沖縄ブロック大会」の中止が6月15日、決定した。
2016(平成28)年より開催準備作業にあたってきた「九州・沖縄ブロック大会実行委員会事務局」のメンバー
10月31日から都城市で開催を予定していた同大会は1990(平成2)年の第9回熊本大会以来30年ぶりの九州開催で、初の複数県による共同開催となる予定だった。
主催の日本ホルスタイン登録協会では、6月11日の理事会で「新型コロナウイルス感染症の見通しが立ち、ワクチンなどの普及により安全性が担保できるまでは開催が難しい」と大会中止を決定。延期による次年度以降の開催の可能性が無くなった。1951(昭和26)年の第1回大会から69年間続く歴史の中で中止となったのは、口蹄疫と東日本大震災のため延期後中止となった第13回大会以降2度目となる。
5年に一度開催される同大会は、乳牛の牛乳生産能力と共に健康で長生きする体形であるかを競うため「乳牛の美人コンテスト」「乳牛のオリンピック」とも呼ばれる。第15回大会は都城地域家畜市場を会場とし、参加者6万人、出品頭数ホルスタイン種250頭、ジャージー種20頭を予定していた。
2016(平成28)年10月に九州・沖縄各県より宮崎県に人員を集めて立ち上がった「九州・沖縄ブロック大会実行委員会事務局」は、今年3月に宮崎市内から会場となる家畜市場内に事務局を移転したばかり。大会中止の報を受けて事務局次長の池田泰男さんは「5年に一度の『酪農の祭典』とも呼ばれる大会を目標として、酪農家は計画的に乳牛の種付けや飼育を行ってきた。今年が最高の状態の乳牛にとって『次の大会で頑張る』というには5年は長い。酪農家の落胆を思うと胸が痛む」と話す。
実行委員会の石橋大輔さんは「長い年月をかけて大会開催にむけて準備をしてきたが、大会規模や乳牛を環境に慣れさせるため開催期間を含め2週間は大勢の人が来県し滞在することを考えると、現状では中止はやむを得ない」と話す。
大会マスコットキャラクター「南風ミル」ちゃんは、今後は酪農関係のイベントにて活躍する予定。「牛乳の消費促進イベントなどでミルちゃんに会えることを楽しみにしてほしい」とも。