宮崎県立海洋高等学校(宮崎市日ノ出町1、0985-22-4115)が、「備蓄缶プロジェクト宮崎」で平成30年度九州農政局長賞(教育関係部門)を受賞した。
今年4年目を迎える同プロジェクトは「みやPEC推進機構」からの提案を受け、水産加工缶詰・レトルト食品製造販売会社の「器」(宮崎市昭栄町)の西立野玲社長が考案した。プロジェクト賛同企業に「備蓄缶」を購入・確保してもらい、災害発生時にはプロジェクトスタッフが県内企業の「備蓄缶」を回収し、支援物資として被災地へ提供する。
「備蓄缶」は海洋高校と「器」が共同開発した。学生たちは月に2回程度、農作物生産者や水産加工場で視察し、企画や地域のイベントでの販売などを通して商品開発を実践的に学ぶ。「基本的にはその時に安価でたくさん捕れる魚を商品にする。そういった現場を学生たちに見てもらうのも商品開発の一環。『その時だけ作って、売って、終わり』ではなく、継続性のあるプロジェクトとして学生たちが後輩に引き継ぎ、大人になった時に子どもたちに誇れるようなものとして今後も続けていきたい」と西立野社長は話す。
法人向けの「備蓄缶」の中身は、2016(平成28)年に発売したプロジェクト商品第1号の「宮崎マヒマヒフレーク」8缶と、宮崎が生産量日本一の切干大根とブリを使った「宮崎海洋切干ぶり大根」4缶の計12缶セット(3,000円)。一般家庭用の「備蓄缶」は、「宮崎マヒマヒフレークセット」(12缶入り=3,600円)と、「宮崎マヒマヒフレーク」「宮崎海洋切干ぶり大根」「宮崎海洋カツオのドライカレー」の3種を4缶ずつ詰め合わせたセット(12缶入り=5,000円)を販売している。
「備蓄缶」はいずれも災害時の備蓄用ではあるが、「食べたくなった時に会社や自宅で召し上がっていただいても構わない。営業所での販売はしていないが、法人向けの『備蓄缶』は当社ホームページから受け付けをしており、一般家庭用もネット通販などを活用して購入していただける」と西立野社長は話す。