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取り壊し迫る都城の「市場の駅」にシャッターアート 保育園児から大人まで参加

シャッターに描いた自作の絵と荒神さん

シャッターに描いた自作の絵と荒神さん

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 青果や水産品、花きを扱う「都城市公設卸売市場」(都城市志比田町、TEL 0986-25-5242)内の「市場の駅」移転に合わせ、現在空き店舗にシャッターアートが描かれている。

高校美術部が描いた絵

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 「市場の駅」は、一般市民が買い物や飲食できる場所として長年親しまれてきたが、今年6月に敷地内での移転に伴い、建物の取り壊しのために4月25日で営業を終了する。同企画は、市販のスプレー缶で絵を描く「スプレーアート」を制作する荒神義秀さんが提案。荒神さんは「市民の思い出づくりになればと思い、参加者を募って空き店舗のシャッターに絵を描くことを発案し、市場の管理事務所に話を持ち掛けた」と話す。

 荒神さんが自身のフェイスブックを通して参加者を募ったところ、約20組が集まった。昨年5月から計画し、8月に描き始める予定だったが、新型コロナウイルス感染症の流行で延期となり、制作は11月からスタート。保育園児、高校に通う美術部員、書道教室の講師、絵画教室の先生と生徒、家族などの有志の希望者が、全て自費で材料をそろえ、市場が閉店する土曜の午後から休業日の日曜にかけて各々の作品作りに取り組んだ。子どもの手形が押された絵や、金銀の塗料を使った絵、シャッター数枚にわたる絵や書道など約20作品が完成した。作品は「市場の駅」の営業時間外や定休日でも開門時は観賞できる。

 荒神さんは「イベントなどでその場でスプレーアートを披露する時にはA3サイズほどの絵を約15分で仕上げるが、市場では昭和時代から使われているシャッターの汚れを落とすところから始め、凹凸があるため描きにくく何度も足を運んだ。今回は色を重ねるなどの工夫をして、1本の桜の木の絵を完成させた。当初は参加希望者が集まるか心配したが、不安も吹き飛ぶほどの人数が集まった。大きなシャッターに描かれた作品群を、取り壊し前の今のうちに見に来てほしい」と話す。

 営業時間は月曜・火曜・木曜・金曜=8時30分~17時(水曜・土曜は12時まで)。日曜定休。

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