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宮崎のみそ・しょうゆ会社「ここく」がクラファン 消えた古代大豆の復活目指す

未来の子ども達へ、古代大豆を残していきたいと挑むクラウドファンディング

未来の子ども達へ、古代大豆を残していきたいと挑むクラウドファンディング

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 宮崎で農業と塩、みそ、しょうゆの製造をする「ここく」(宮崎市清武町船引、TEL 0985-72-7256)が現在、古代大豆の復活と耕作放棄地を守るためのクラウドファンディングを「READYFOR」で実施している。

加藤さんが育てた古代大豆と麦、海水をくみ上げ平釜で炊き上げた自社製造の塩で作る「ここく」のみそ

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 「ここく」代表の加藤潤一さんは東日本大震災を機に宮崎へ移住し農業を始めた。麦や大豆を育てるだけでなく、沖へ船を出し、黒潮を採水して平釜で炊いて塩を製造。その塩でみそやしょうゆまで製造している。

 同プロジェクトは古代大豆の復活と耕作放棄地を守るという2つの柱がある。古代大豆は粒が非常に小さく、収穫や脱穀などの作業が困難で、作り手の減少が危惧されている。加藤さんは「ご先祖様から受け継がれてきた種をきちんと後世に伝えていき、何より本当においしいと思える感謝にあふれた食を届けたい」と一人畑に立ち続けている。しかし、一人でできる作業には限界があり、脱穀作業ででる粉塵が肺へ大きな負担をかけているという。

 プロジェクトの目標額は1,000万円で、支援金はコンバインの購入費用に充てる。加藤さんは「コンバインがあれば、この刈り取り作業と脱穀作業を同時に行うことができる。健康的な不安が解消されるばかりか、面積も拡大できる」と話す。

 農業を始めてからの7年間、加藤さんは在来種の種を探し、椎葉や高千穂まで足を延ばしてきた。多くの農地に足を運ぶ中、担い手が不在となり耕作放棄地となってしまった土地も多かった。加藤さんは「たくさんの農家の方との思い出がつまった景色が、あっという間に草山になっていくのを見るのは非常につらい。全てを引き受けることは到底無理かもしれないが、私の周りの風景を守る程度のことはできると思う」と話す。

 支援のリターン品には「ごはん豆」や古代大豆で仕込んだ麦みそ、自社製造の「沖の潮」などのほか、デザイナーとしても活動する加藤さんによるロゴや名刺などのデザイン制作も用意する。

 加藤さんは「少しでも農地をとりまく現状を伝えたい。支援してくださる人の気持ちを預かり、私が責任を持って、大切にしたいものを大切にしていきたいと思う。途方もない挑戦だが、これを乗り越えられたら、きっと違うたくさんの景色が見えてくる気がする」と支援を呼び掛ける。

 2月26日まで。

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