宮崎・国富町に和服レンタルショップ「ひびのき」(国富町本庄、TEL 090-1199-5551)がオープンして3カ月がたった。
3月29日にオープンした同店。「日々洋服を着るように着物を着てほしい」という思いを込めて店名を「ひびのき」とし、隣接する「ゆうあい着物工房」で仕立てた着物のレンタルと和雑貨販売を手掛けている。工房代表の谷山愛子さん、工房マネジャーの三秋美樹さん、店長の三谷奈緒さんは母・娘・孫の親子3世代で宮崎の着物文化普及に取り組んでいる。
レンタルプランは、カフェ巡りやランチなどでカジュアルに着物を楽しみたい人向けの「カジュアルきもの-花 HANA-」(3,000円~)、冠婚葬祭、七五三など向けの「フォーマルきもの」(着付け込み、黒留め袖5万円~)。オプションでバッグ(500円~)、草履(500円~)、げた(500円~)もレンタル可能。
「義務教育の中で、着付けを教えるカリキュラムが無いのは宮崎と鹿児島だけ」と美樹さんは 同店開業の動機ともなった危機感を訴える。「若い世代へ着物文化を継承するために高校で浴衣の着付け教室を開いてきたが、もっと気軽に着物に親しんでもらえる場が必要と考えていた。県外の呉服店からの励ましや娘の帰郷など、要所要所で背中を押してくれる出来事があった」と美樹さんは話す。
同店が取扱う「ゆうあい着物」は、着物講師の愛子さんが15年の年月をかけて、300人以上の体型データを基に型紙を改良した立体裁断の着物。「1人で着物を着られる喜びを感じてほしい」と必要な小物は4点と最小限にとどめ、外国人でも着ることができるよう工夫されている。工房では「カジュアルきものは、自由に着ればいい」という愛子さんの考えで、和服用の反物だけでなく洋服生地でも着物を仕立てる。
コロナ禍の影響で予定されていた高校での着付け教室は中止となったが、現在工房では高校生向けの無料浴衣着付け教室を開いている。愛子さん親子3世代は「ぜひ、参加して『着物ってこんなに簡単に着れるんだ』ということを知ってほしい」と参加を呼び掛けている。
営業時間は10時~18時。月曜定休。