生花店「MAKANA OHANAdeco」(宮崎市太田2、TEL 0985-89-3140)が4月13日から、新型コロナウイルスの影響で出荷先のない生花を花束にして販売している。
新型コロナウイルスの影響でイベントや披露宴の中止・延期が重なり、生花市場の需要と供給バランスが大きく崩れている。栽培した生花を関東地方へ出荷できない県内生産者に追い打ちをかけたのが、同じ理由で出荷先を求める他県産生花の県内市場への流入だった。
花束の販売は、同店の仕入れ担当者が市場で耳にした花き生産者の「もう、どうしていいのか分からない」という言葉をきっかけに企画した。取締役の福田綾子さんは「自分たちに何かできることはないだろうかと考えた」と話す。
SNSで「飛行機も飛ばず何処にも行けないお花たちが宮崎に溢(あふ)れている」と生産者の窮状を訴え、出荷先を失ったダリアやバラで花束を作成(1束5本入り=500円、税別)。SNSや口コミで評判を呼び、販売開始後4日間の購入数は120束に上る。すでに花束の状態になったものを店頭販売するほか、在庫があればスタッフのアドバイスを受けながら、自分の好きな色や形状の花を選ぶこともできる。店内ではウイルス対策としてスタッフ全員がマスクを着用し、店舗入り口を常時開放しての換気と消毒薬の設置で対策している。
福田さんは「行き場を失った花を家庭で生けて楽しんでもらえたらとの思いもあって花束販売を始めたが、知り合いや介護施設にいる親族に贈りたいと大量購入してくださるお客さまもいて、とてもうれしかった。生産者さんがホッと一息つけるようになるまで支援のため花束の販売を続けたい」とも。
営業時間10時~18時30分。ギフト包装は要相談、配達は行わない。