宮崎県日南市のJR油津駅(日南市岩崎2)が2月4日、「カープ油津駅」として生まれ変わった。
プロ野球・広島カープのキャンプ地として知られる同市では、地域で球団を応援しようと、キャンプの本拠地である天福球場(天福2)から最寄りのJR油津駅の駅舎を真っ赤な「カープレッド」に塗り替えた。同プロジェクトは日南市民やファンがつくる「日本一のカープ駅をつくる会」が主催し、プロジェクトの資金はクラウドファンディング「FAAVO」で募集。目標資金額の200万円が集まった後も支援額は増え、2月5日現在で240万円以上が集まっている。
同市では4日に新駅舎のオープニングセレモニーを実施。約1000人の市民やファンが詰め掛けた。セレモニーでは緒方孝市監督が最後に残されていた白地部分をカープレッドに塗り納め、駅舎を除幕。「Carp 油津駅」と描かれた駅名が披露されると、ファンからは大きな歓声が上がった。
当日は宮崎駅から油津駅まで1便限定での特別チャーター「日本一のカープ駅“油津”号」も運行し、クラウドファンディングの支援者約60人が乗車した。列車には特製のヘッドマークを取り付け、車内もカープのロゴやキャラクターのポスターで乗客をもてなした。途中の停車駅では「カープ芸人」として活躍するザ・ギースの尾関高文さんや、崎田恭平日南市長がゲストとして乗車するサプライズもあった。
今回の駅舎の塗り替え費用はJR九州が全額負担。クラウドファンディングで集まった資金はセレモニーやチャーター便の手配に使い、目標金額を上回った資金は駅の維持管理や展示物の充実のために使う方針。クラウドファンディングは引き続き2月15日まで受け付け、支援者には駅構内に支援者として名前を掲示するほか、記念Tシャツや油津商店街内のカフェで使える「カープパンケーキ」の無料チケットなどを返礼品として進呈する。