綾町に煮干し中華そば専門店「拉麺（ラーメン）LOVE and PEACE」（綾町南俣）がオープンして1カ月がたった。

五色あられが特徴的な「中華そば」

　4月に東京から綾町に移住した谷田祐平さんが開業した。20代前半はDJとして活動し、その後バックパッカーとして世界中を巡り、日本と海外を行き来する中で国内外のラーメン店に勤務。2015（平成27）年の11月には「中華そば しば田」（東京都）の一番弟子として、京都で「煮干そば 藍」を開業した。同店は2017（平成29）年から5年連続で、ミシュランガイドのビブグルマン（コストパフォーマンスの良い良質な店に与えられる評価システム）を受賞している。

　谷田さんは「京都ではほとんど1人で店を切り盛りしていたので、その多忙さや競争の激しさに疲弊してしまい、一度ラーメンの世界から離れようと北海道から宮崎まで車の旅に出た。綾町の人たちの優しい人柄やおいしい水、生活に根差した有機農法の野菜など、海外の田舎にも近い町の雰囲気に引かれて移住を決意した」と話す。

　京都時代から提供する「煮干し中華そば」は、煮干しには上品な香りが特徴という香川県の伊吹島産いりこを使う。メニューには5種類のしょうゆをブレンドし全粒粉入りの中細麺を使った「中華そば」（800円）、たまりじょうゆに煮干しを加えて鶏と豚骨スープを合わせ低加水の細麺を使った「濃厚煮干しそば」（900円）の2種類を提供する。ほかにも、煮干し風味とエビ風味2種類の「まぜそば」（780円）や時期や日により数量限定で提供する「季節の限定麺」、綾の水と土鍋で炊いた「土鍋ごはん」（100円）や「炙（あぶ）りマヨチャーシュー丼」（350円）なども用意する。

　谷田さんは「綾町とは肌感がとても合い、これ以上素晴らしいと感じる町は見たことがないほど。あんなに嫌いになったラーメン作りが今は楽しい。地域や社会貢献を意識しながら、愛されていくような町中華屋さんを目指していきたい」と話す。

　営業時間は11時30分～15時。月曜、火曜定休。変更の場合はインスタグラムで告知する。