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都城の大浦酒造が菊芋100%焼酎「草の縁」 3人の生産者がタッグ組む

(画像左から)自然薯の自家栽培などを手がける「おかもと自然薯農園」の岡元一徳さん、大浦酒造の大浦晋一さん、1947(昭和22)年創業の「松川果実園」・松川宗由さん。手前は大浦さんの息子の悠生君

(画像左から)自然薯の自家栽培などを手がける「おかもと自然薯農園」の岡元一徳さん、大浦酒造の大浦晋一さん、1947(昭和22)年創業の「松川果実園」・松川宗由さん。手前は大浦さんの息子の悠生君

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 都城の大浦酒造(都城市乙房町、TEL 0986-37-3883)が8月、菊芋100%の焼酎「草の縁」を開発した。現在、予約販売を行っている。

菊芋100%の焼酎「草の縁」

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 同社は1909(明治42)年創業の焼酎会社。代表銘柄「みやこざくら」をはじめ、玄米焼酎やワイン酵母仕込みなど、独自性の高い焼酎を生産してきた。4代目社長の大浦晋一さんは「小さな蔵元だからこそ小回りがきいて品質重視の焼酎造りができる」と話し、手もみのこうじで醸してかめつぼで仕込む昔ながらの手作りに今もこだわる。

 同商品は、同社の「縁(ゆかり)100年プロジェクト」の一環として、「おかもと自然薯(じねんじょ)農園」の岡元一徳さん、「松川果実園」の松川宗由さんとタッグを組んで開発した。大浦さんは「うまい酒は杜氏(とうじ)だけの力では完成しない。人・気候・風土との縁を大切に育みながら長い年月をかけて造られる。このプロジェクトは創業からの100年余りを振り返り、これからの新たな100年を見据えたもの」と話す。

 総合プロデュースを手掛けた岡元さんは商品化に当たり、大浦さん、松川さんを含めた3者それぞれの共通する思いを1つのコンセプトにまとめた。岡元さんは「商品名の『草の縁』は古今和歌集から取った言葉で、1つの縁が新たな縁を紡ぎ出す『縁の広がり』を意味する。地域との縁、人との縁を大切にしながらものづくりに取り組む3人の姿勢を商品名に込めている」と話す。

 焼酎に使う菊芋を生産する松川さんは、十数年前から菊芋を育てており、「菊芋チップス」や「菊芋パウダー」など加工品も生産している。今回の焼酎は、松川さんが菊芋の可能性を大浦さんに提案したことが開発のきっかけとなった。松川さんは「菊芋は、キク科ヒマワリ属の多年草でイヌリンという水溶性食物繊維を多く含む植物。整腸作用や、血糖値の上昇を抑制する効果、コレステロールを下げる効果などが認められている。今までは菊芋の効果を数値化することが難しかったが、今後研究機関などの協力により菊芋がもっと解明されることを期待している」と話す。

 大浦さんは当初、デンプン質をほとんど含まない菊芋を焼酎にすることに苦戦。米や芋とのブレンドも試したが「せっかくなら菊芋100%で」と考え、試行錯誤の末に完成させた。

 大浦さんは「3人が共に抱く理念は『テロワールを感じさせるものづくり』。焼酎も農作物もその土地の気候や風土、人が作り出す産物だからこそ、その時々の違いがあって当たり前。画一的な品質を求めるのではなく『ゆらぎ』を真に楽しむ文化を作っていきたい」と話す。岡元さんも「3人それぞれがさまざまな人生を歩んできて今がある。それは『揺らぎ』そのものであり、こうして3人がつながっているのも縁」と話す。

 大浦酒造オンラインストアで予約販売する。発送は9月下旬を予定する。

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