ひなた宮崎経済新聞では、「街の小さな変化を追いかける」をモットーに、県内のハッピーニュースをお届けしています。しかし、宮崎には日々のニュースでは追いきれない魅力がいっぱい。そこで連載「ひなたさんぽ」では、編集部メンバーが個人的に気になる街のアレコレについて、自由に紹介していきます。
普段、青島エリアの記事を担当することの多い宮木です。今回は訪れたのは、昨年末にオープンした一軒家のバル「mapa(マパ)」。スペイン・カタルーニャ地方の郷土料理を中心に提供しているとのこと。どんな料理が味わえるのか、胸が高鳴ります。
店主を務めるのは、山下直(なお)さん。18歳で宮崎を離れると、バルセロナの調理師学校へ進みます。その後、現地のレストランで20年以上料理人としてキャリアを重ねてきました。そして昨年、地元・宮崎にUターンし、この店をオープンしました。
▲米(アロス)料理のパエリアも、出汁の旨味が際立つカタルーニャ流
ところで「カタルーニャ料理って、どんな料理?」と思われる方もいるかもしれません。スペインの北東部に位置するこの地方は、魚介と山の幸が豊富。エジプト生まれの料理研究家で文化人類学者のクラウディア・ローデンさんも、「スペインでもっとも豊かで、複雑で、洗練された料理」と絶賛しているほど。ヨーロッパでも美食の地として知られる地域の味を宮崎で楽しめるなんて、ちょっと驚きです。
料理は、魚介と鶏の出汁をベースに、塩とオリーブオイルでシンプルに仕上げるのが特徴。そこに野菜の自然な甘みが追加されるため、ハーブやスパイスは最小限。調味料に頼らず、野菜の力で味をまとめる…なんだか、体にもやさしそう。
「甘みを加える際には、砂糖やみりんは使わず、“ソフリト”という玉ねぎとトマトのペーストで甘みを出しています」と山下さん。
▲エスプレッソにラムやウイスキーといったスピリットを混ぜた「カラヒーリョ」
ちなみに、食材は基本的に宮崎で入手できるものを使っているそう。「例えば、スペインのジャガイモは甘みも水分も多くねっとりとしていますが、日本はホクホクしたものが多いです。魚も似たようで違う種類だったりして…。だから、調理は工夫の連続です」と話してくれました。
異国の伝統と、宮崎の風土が出合って生まれる一皿一皿。そのやさしく奥深い味わいは、食べた人の心をほっと和ませてくれるはず。気取らず、でもちょっと特別な気持ちになれる「mapa」でのひとときを、ぜひ味わってみてください。
営業時間は17時~21時。月曜定休(時折変則の場合あり。インスタグラムでの確認を推奨)
住所:宮崎市京塚2丁目3−28