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【高校生記者×みやざきミライ農業】オーダーメイドも可能な「BB肥料」が実現する資源循環システム

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価格は化成肥料より安価に! BB肥料って?

農作物を育てるために欠かせないものといえば、肥料です。今回高鍋農業高校のメンバーが取材したのは、県内地域資源を活用している「BB肥料」。この「BB」とは、「Bulk(粒)Blending(配合)の略称のことです。

通常、私たちが目にする肥料は化成肥料と呼ばれ、様々な成分を配合した後に粒化されたものを指します。一方で、このBB肥料では、窒素やリン酸等の原料を加工することなくブレンドするだけの製造方法で、化成肥料の製造工程よりも手間が減り、コストを抑えることができるのです。そのBB肥料の原料として県内の鶏糞や豚糞を活用した「エコループシリーズ」の製造を行っているJA宮崎経済連肥料供給センターに行き、BB肥料について教えていただきました。

▼BB肥料

今の時代に求められる新しい肥料、普及には「イメージ」が壁に

 「エコループシリーズ」の需要は徐々に広がっていますが、開発当時は苦労も多かったそう。「鶏糞は昔からのマイナスイメージというのが強いんです。」と語るのは、肥料担当の飯田貴次さんです。「鶏糞は、安価で肥料成分も十分にありますが、作物に対して悪い影響があるイメージを持つ農家もいるため、鶏糞のイメージを覆すことに苦労しました。また、堆肥が余っている中で、農家に堆肥を活用したBB肥料の導入をPRすることも難しかったです。」

しかし、「エコループシリーズ」は堆肥処理と肥料価格高騰の2つの課題をクリアできることから、流通も初年度は苦労されたようですが、昨年は導入する農家が一気に増えたとのことです。

原料倉庫

一般農家も導入できる オーダーメイドの肥料づくり

 現在、この工場で製造されているBB肥料の種類は、なんと約200銘柄。これらは、作物ごとに県の生産指針に基づいて製造しており、それだけでなく、地域ごとに適した肥料もつくられているのだそう。加えて、「A農園用」「B株式会社用」など、オーダーメイド肥料も製造することができるという事実に驚かされます。

実際に製造されている個人農家向けの肥料では、JAの担当者と共に生産者の畑や田んぼの土壌調査を行い、一定ロットがあれば、オーダーメイド肥料を作ってもらうことが可能。一般の肥料メーカーと比べて、最低限作らないといけない量が少ない点も、導入しやすいポイントです。安く自分の畑にあった肥料を県内の工場で作ることができるのは、今後宮崎の農業を飛躍させる要となりそうです。

肥料の原料を投入する様子

宮崎の資源循環の大きな原動力となる、BB肥料の可能性

「BB肥料の原料として堆肥を活用することにより、県内の堆肥がより効率的に使用され、循環していく仕組みづくりを確立していきたい」と話す飯田さん。今は、JA宮崎経済連の自社養豚農場や関連会社堆肥の一部を使用しているが、さらに数量を増やしていきたいとのこと。実際に、高鍋農業高校へ「エコループシリーズ」を2袋いただき、来年度の畜産科学科の新1年生が行うスイカの栽培や、園芸科学科での作物栽培に活用する予定で、本来の堆肥との効果の違いがとても楽しみです。

畜産の堆肥処理を助け、より高品質な作物栽培へつながる「エコループシリーズ」。まさに、これからの宮崎県の農業における資源循環の大きな原動力となりそうです。

「エコループシリーズ」の贈呈の様子

【取材・執筆】清水謙斗、足立英加

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