プレスリリース

学校と連携した海洋教育プログラム「海と緑ヶ丘小プロジェクト~海の学校 2025~」第 4 回目のプログラムを実施しました!

リリース発行企業:ソーシャルアクションネットワーク

情報提供:

(一社)海と日本プロジェクト in みやざきは、2025 年 6 月 19 日(木)に緑ヶ丘小学校の 6 年生 35 名を対象に、宮崎県の海洋教育のモデルを作ることを目指して、「海と緑ヶ丘小プロジェクト~海の学校 2025~」を開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。



イベント概要

開催概要:
本プログラムは、2024年度より延岡市教育委員会と連携し、推薦を受けた小学校の児童を対象に、学級単位での重点的な海洋学習に取り組んでいます。今年度は「宮崎の豊かな海を未来に残すには?」を大テーマに4~7月までの期間に計6回の学習を行います。校外学習や実体験、専門家による講話などを盛り込んだ多彩なカリキュラムを通じて、“地元の海を学び、海の恵みを知り、海を楽しみ、海との関わりを正しく認識する”。そして、学びを終えたときに、自分たちが「海のために出来ること」は何かを考え、最終的に自分ごと化が出来るような学習を目指していきます。

日 程:2025年6月19日(木)9時10分~10時50分 
開催場所:延岡市立緑ヶ丘小学校
参加人数:6年生35名
講 師:宮崎大学教育学部 西田伸教授

【第4回】今回の学習テーマは「海の生き物の進化や多様性/海洋環境問題」

今回は、前半に、宮崎大学 西田教授から「延岡の海に生息する生き物の進化や多様性、そして環境問題が生き物たちに与える影響」について学び、後半は、延岡に伝わる民話『琴姫の松』(海ノ民話プロジェクト制作)を鑑賞しました。この学習を通して、海のそばで暮らす子どもたちの、海との関わり方に気づくきっかけとなる学習を目指します。

『宮崎の豊かな海に生息するさまざまな生き物と、その進化』

今回の海洋学習では、生物多様性を専門とする宮崎大学教育学部の西田伸教授を講師にお迎えし、宮崎県の海岸に打ち上げられたクジラやイルカの骨格標本を使って、海の生き物の進化の過程について学びました。
教室に入ると、ずらりと並んだたくさんの骨に、子どもたちは「これ、何の骨?」「すごく大きい!」と興味津々。西田教授は「骨を見ると、その生き物がどんな暮らしをしていたのかがわかります。骨は、私たちにたくさんのことを教えてくれるんですよ」と語りながら、歯の形の違いや体のつくりを例に、食べるものや暮らす環境によって骨格が違うことを解説しました。
さらに、「みんなは進化ってできる?できないよね。進化は偶然なんです。偶然起きた突然変異が、その環境でちょっとでも有利だったら、それが生き残っていくんですよ」と話し、自然界のしくみをわかりやすく伝え、生き物は長い時間をかけて環境に適応しながら進化を遂げてきたこと、そしてその背景には命の歴史があることを、子どもたちは学びました。
次に、2018年に宮崎市・青島の海岸に打ち上げられたニタリクジラの赤ちゃんと、2022年に日南市で座礁したハンドウイルカの全身骨格をパズルのように組み立てる体験も行われました。「赤ちゃん」とは言え、ニタリクジラの骨は約4メートルもあり、子ども3人が横に並んでも足りないほどの大きさ。その迫力ある骨を目の前に、子どもたちは目を輝かせながら夢中で骨並べを行っていました。実際に触れてみることで、私たち人間と同じ哺乳類である彼らの体のつくりや骨の共通点に気づき、生き物の命の仕組みを実感をもって学ぶことができました。

自然の恵みに支えられて生きている私たちにとって、海の命を正しく知ることは、未来の海を守る第一歩。骨という“証”を通して、子どもたちは自然とのつながりや命の大切さについて深く学ぶ貴重な時間となりました。



『海洋環境問題について考えよう』

西田教授の授業では、「海洋ごみ」についての話もありました。
これまでの学習を通して子どもたちは、山・川・海がつながっていること、そしてそのつながりによって自然環境が保たれていることを学んできました。今回の授業では、その知識をふまえて、海に流れ込んだごみによって、海の生き物たちが誤って食べてしまう事例について紹介。実際に、打ち上げられたクジラやウミガメの胃や腸から、漁網や風船、プラスチック片などが見つかったことを説明し、ウミガメの胃の中から出てきたごみを子どもたちに見せながら、その深刻さを伝えました。
西田教授は、「いろいろな動物が暮らしている場所を、私たち人間が汚してしまっている。これは海だけの問題ではなく、森や川も全部同じです。」と語り、また「ごみの問題だけでなく、森が失われれば、やがて海も命を失ってしまいます。自然を守るには、森・川・海といった環境全体をつながりの中で考える必要があります。すべてがつながっているということを忘れず、自然を大切にしてください」と、自然の循環とその重要性についても説明。授業を通して子どもたちは、日々の生活の中でごみを捨てないことの大切さを、あらためて心に刻んでいました。



『地元に伝わる海ノ民話』

 続いての学習では、地元に伝わる海ノ民話「琴姫の松」を鑑賞しました。
海のそばで暮らす子どもたちにとって、自分たちの住む町の海の特徴を知り、意識することはとても大切です。今回は、延岡市に古くから伝わる民話を通して、地域の海と人々の暮らしとのつながりについて考える機会となりました。
延岡市の沿岸部は、リアス海岸の入り組んだ地形と温暖な気候により、豊かな潮の流れが生まれ、魚介類が豊富にとれる恵まれた地域です。ふだんは波が穏やかなリアス海岸ですが、大地震が発生すると津波によって大きな被害を受けるおそれもあります。
「琴姫の松」の物語は、そんな津波の脅威から村人たちを守ったとされる“琴姫”をめぐるお話です。舞台となる霧島神社は、児童たちの住む地域から車で10分ほどの場所にあり、地元にとても身近な神社です。
地元に根ざしたこの神社が登場する民話に触れたことで、子どもたちはより身近に物語を感じたようです。
自然災害から命を守る知恵と、人々が支え合う絆の大切さを学ぶ、大切な時間となりました。



参加した子どもたちの声

〈子どもたちのコメント〉
・骨並べは難しかったけど、体の仕組みがよくわかりました。特に首のあたりは細かくて大変でした。
・骨の数は大人になっても変わらないと聞いてびっくりしました。もっといろいろなことを知りたくなりました。
・民話で、琴姫が波を止めて村人を守ったところがすごいと思いました。
・自分たちの住んでいる場所の近くに、こんな民話があることを初めて知って驚きました。今度家族で行ってみたいです。



次回はいよいよラスト! 5・6回目の学習内容は・・・

次回の学習は、7月14日(日)・15日(月)の2日間にわたって連続で実施予定です。
1日目は、延岡市で養殖水産業を営む「株式会社新海屋」さんを訪問し、加工場を見学します。見学を通して、延岡で育った魚がどのようにして私たちの食卓に届くのか、その流れや工夫について学びます。
2日目は、シーカヤック体験を行い、実際に海に出て自然とふれあうことで、海の魅力や大切さを体感的に学びます。


講師
宮崎大学教育学部 理科教育
西田 伸(しん)教授





メッセンジャー
MRT宮崎放送アナウンサー
中野 義大



<団体概要>
団体名称 :一般社団法人海と日本プロジェクトinみやざき
URL :https://miyazaki.uminohi.jp/
活動内容 :日本財団「海と日本プロジェクト」の理念のもと、宮崎の豊かな海を未来へ引き継ぐ活動を
行っている。






日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/

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