自社でにんにくの有機栽培を行い、それを原料にした滋養食品を販売している株式会社健康家族(本社:鹿児島県鹿児島市平之町、代表取締役:藤 朋子)は、にんにくの有機農家として、にんにくに秘められた健康パワーの解明研究にも力を入れている。この度、鹿児島大学で開催された「第5回Food for Health International Conference & Life Science Symposium」にて、にんにくの抗炎症作用に関する研究成果のポスター発表を行った。本研究は、にんにくに含まれる特定の成分が体内の炎症を抑制するメカニズムを明らかにするもので、参加した国内外の研究者から高い関心を集めた。
▲健康家族総合研究所の亀山氏(左)と垣添氏(右)
■にんにくがもたらす新たな健康作用
にんにくは、古くから健康維持に役立つ食材として知られており、特に抗酸化作用や抗菌作用が注目されてきた。今回発表された研究は、にんにくの新たな側面に焦点を当てている。それは、「抗炎症作用」だ。炎症は、外敵から体を守るために必要な反応だが、過剰な炎症はさまざまな健康問題を引き起こす。今回の研究により、にんにくの成分が体内の炎症反応を適切に調整し、体の健康維持に大きく貢献する可能性が示された。
▲研究結果に高い関心を寄せる参加者
▲国内外から多くの研究者が来場した
■DATSによる炎症抑制のメカニズム
今回の発表では、にんにくに含まれる有機硫黄化合物の一種である「ジアリルトリスルフィド(DATS)」に注目。DATSには、炎症を引き起こす物質(サイトカイン)の生成を抑える働きがあることが分かった。特に、IL-6、MCP-1、TNF-αといった炎症誘発性の物質が大幅に減少することを確認。これはLPS誘発性マウスモデルを用いた実験で、DATSを投与したマウスの足の浮腫が31.8%も減少したという驚くべき結果から得られた。このメカニズムの背後には、細胞内のシグナル伝達経路(MAPKおよびNF-κB経路)の抑制がある。これらの経路は、炎症を引き起こす主要な因子であり、DATSがこれらを阻害することで、炎症反応を効果的に抑えることができる。今回の研究は、この分子レベルでのメカニズムを解明した点で大きな意義があると言える。
▲会場で展示した抗炎症のメカニズムを説明したパネル
■今後期待される実生活への応用
今回の結果は、にんにく成分が持つ抗炎症作用を明らかにし、炎症が関わる健康リスクを軽減する可能性を示唆している。慢性的な炎症は、さまざまな生活習慣病にも関連している。そのため、体内の炎症反応を適切に調整することがこれらの予防や管理に役立つと考えられる。つまり、にんにくを日常的に摂取することで体内の炎症を抑え、健康維持をサポートできる可能性があると言えるだろう。
▲慢性的な炎症は生活習慣病の原因にも(写真はイメージ)
■今後の展望
シンポジウムの会場では、研究内容に参加者が耳を傾け、活発な質疑応答も行われた。研究者たちは将来の応用に期待を寄せている。今回の研究結果はにんにくが単にスパイスとしてだけでなく、私たちの健康管理においても重要な役割を果たす可能性を示すものであった。今後、健康家族はさらに研究を重ね、にんにくの持つポテンシャルを活かした製品開発を進めていくことだろう。
■健康家族
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