「Cero'me Cafe(セローム カフェ)」(都城市下長飯町、TEL 090-5283-5806)が6月26日、下長飯町簡易郵便局近くにオープンした。
「ライスコロッケランチ」につく鶏の唐揚げは、丁寧な下処理をしてジューシーな食感をだしている
野崎紀子さん、莉桜さん親子が切り盛りする同店。アルバイト先を探していた莉桜さんの「カフェで働きたい」という言葉に、長男の太志さんが「それなら親子でカフェをやればいい」と提案し開業に至った。店名の「Cero'me(セローム)」は、葉が横に伸びる観葉植物にちなみ「横とのつながりを大切にしたい」という願いが込められている。
ランチメニューは鶏の唐揚げ、キッシュ、サラダ、スープが付いた「ライスコロッケ」(850円)、ライスコロッケにかけるトマトソースを使った「ミートパスタ」、「梅しそ納豆パスタ」(以上650円)など。サラダに添える人参ドレッシングは、紀子さんの母から伝えられたレシピを改良し「よく振ってもらえるよう」コルク栓をした試験管型容器に入れて提供している。ランチメニューには、200円追加でデザートセットを付けることもできる。
看板メニューのライスコロッケは、味付けしたひき肉を混ぜた白米の中にチーズを入れコロッケ状にして揚げたもの。製造に手間がかかり、上にかけるトマトソースも手作りするため、紀子さんは開業に当たってレシピ簡略化も検討したが、莉桜さんに「手間を惜しんではいけない。お母さんが家で作るあの味でなければ絶対にだめ」と反対され断念した。
紀子さんは「ライスコロッケは、家族の誕生日や部活動の重要な試合の前に作っていた大切な人を思う気持ちと『頑張れ』というエールを込めた特別なメニュー。学生時代バスケット部に所属していた長男と部員たちのリクエストに応えて一度に200個作ったことも」と話す。
店舗は、空き家となっていた紀子さんの実家を内装のみ改めた。紀子さんは「21年前に病を患い半身不随となった母のため、父がバリアフリーにリフォームしたこの家は、いわば父の母への愛情が形となった家。母から伝えらえた人参ドレッシング、子どもたちにとって特別なメニューであるライスコロッケという家族の物語が詰まった『場所』と『味』で、『大切な人に食べさせたい味』の提供を目指していきたい」と話す。
営業時間は11時~15時。月曜定休。