「Nazuna飫肥城下町温泉 小鹿倉邸」(日南市飫肥8、TEL 0987-27-3171)が4月1日、日南市飫肥にオープンした。
京都で旅館を中心に経営する「Nazuna」と、関西や首都圏、海外で飲食店を経営する「大地」(以上、滋賀県野州市)、飫肥(おび)で勝目邸と合屋邸2棟の宿泊施設を運営する「Kiraku」(京都府東山区)の3社が共同で企画・運営に取り組む同施設。
飫肥藩の藩医が1879(明治12)年に建築した築140年以上の武家屋敷を、Nazunaが土地と建物を日南市から借り、国からの補助金を一部活用して約2億1,000万円で改修。約350平方メートルの母屋と約45平方メートルの離れの納屋を全5室の温泉露天風呂付旅館とした。
外観と内装の補修は、保存・継承するために最低限にとどめ、市内の北郷温泉から輸送した温泉を全室の露天風呂に導入する。
客室は、近隣にコケ専門の「服部植物研究所」があることから、コケや地元特産の飫肥杉材、飫肥の町のシンボルカラー「本紫(ほんむらさき)」など、地元の特徴をテーマとしたコンセプトルームとなっている。
同旅館では夕食は提供せず、宿泊客に地元飲食店を利用してもらおうと、飫肥商店会と共同で同エリア内の商店の特徴を1店舗ずつまとめた「ガイドカード」を作成し、受付に設置。飫肥を回遊してもらい消費を促す。
Nazunaの大門真悟社長は「地域の方々を含め、本当にたくさんの方に支えられ、ようやく宿としてオープンできることを本当にうれしく思う。宿泊客だけではなく、地域の方にも身近に感じてもらい、『地域の宿』になれるよう、地域の方々や地元商店会と共に飫肥の町を盛り上げていきたい。今後は地元の方を積極的に雇用していけたら」と話す。
同旅館副支配人で地元出身の大田原理沙さんは「大好きな地元で、地域の方と近い距離で働けてうれしい。地域と共に成長していければ」と話す。
宿泊料金は1室1泊=3万3,200円~(素泊まり、2人利用)。予約はインターネットで受け付ける。5月30日までは日南市民限定で1人=1万円(素泊まり、2人以上利用)のプランも設ける。価格は税別。