宮崎市の老舗釜揚げうどん専門店「重乃井」(宮崎市川原町、TEL 0985-24-7367)が10月1日、リニューアルオープンした。
同店は創業58年になる釜揚げうどんの老舗店。王貞治さんや長嶋茂雄さんなど往来の名選手や芸能人などが通う名店としても知られている。
前日に手打ちをして仕込み寝かせた生地を手切りし、注文が入ってから10分以上かけて釜で湯がき、できたてを提供する。つゆは2種類の昆布とかつお節、さば節、シイタケからだしを取り、砂糖を加えずしょうゆとみりんだけで作る。メニューは「釜揚げうどん」(並=650円)のみ。創業当初からの味を変えない作り方で営業してきた。
今回リニューアルに踏み切ったのは、ここ数年続く自然災害を見てからだと2代目おかみの伊予乃展子さんは話す。「築100年までは旧店舗で行きたいという思いもあったが、熊本地震や2018年に起こった風水害を見てお客さまに何かあってはいけないと思い、耐震性のことも考え思い切って建て替えを決意した」と言う。
旧店舗は今年2月で営業を終え、同じ場所に建て替えた。新店舗は木造平屋で外観は京都の町屋をイメージした造りになっており、店内のテーブルの配置などはほぼ旧店舗と変わらないようにした。伊予乃さんは「同じ場所に以前と同じようにということを大切にした。98年前この地に家を建ててくれた先祖と創業してくれた重乃井に感謝したい。お客さまに感謝の気持ちで昔のままを再現したかった」と話す。「8月には3代目に長男の遼真(はるま)ちゃんが生まれた。4代目まで続いていくとうれしい」とも。
営業時間は11時~18時45分。金曜定休。