宮崎市で国産キャビアの養殖・製造を行う「ジャパンキャビア」(宮崎市瓜生野、TEL 0120-886-863)が4月、対米HACCP(対米輸出水産食品加工施設)に認定され、対米・ラスベガス輸出を5月に開始した。
同社の前身は宮崎県水産試験場(宮崎市青島6)。1983(昭和58)年に宮崎県水産試験場に水産庁経由でベステルチョウザメを導入し、1988(昭和63)年に宮崎で育ったチョウザメから初めてキャビアを製造した。1991(平成3)年にはベステルチョウザメの人工ふ化に国に続いて2例目に成功し、2004(平成16)年にシロチョウザメの完全養殖に成功している。
対米輸出について坂元基雄社長は「アメリカは世界最大のキャビア消費国。輸出先としてアメリカを狙うのは必然であり、当初から対米HACCP(対米輸出水産食品加工施設)への認定に向けて取り組んでいた」と話す。
「キャビアといえばハイソなイメージ。カジノで有名なラスベガスから対米輸出を開始できれば、ブランドイメージにもしっくりくると思った。輸出に際しては、ラスベガスの統合型リゾート(IR)を運営している『MGMリゾーツ』とアポイントを取り、話を進めた。先方も以前から日本の食に非常に興味を持っていたため、win-winの関係になれると確信した」と坂元社長。
「ジャパンキャビア」では、ベーシックなシロチョウザメのフレッシュキャビア「MIYAZAKI CAVIAR 1983」(12グラム=7,020円、20グラム=1万800円)のほか、全体の約1%しか捕れない長期熟成キャビア「MIYAZAKI CAVIAR 1983 CRYSTAL」(20グラム=2万1,600円)、キャビア12グラムとブリニ、無塩バター、キャビア専用の白貝製スプーンが入った贈答用の「MIYAZAKI CAVIAR 1983(12グラム)&ブリニ」(8,100円)などを展開している。
「人によって若いキャビアを好む方、熟成されたキャビアを好む方がいる。看板商品『1983』のほか、業務用の熟成の浅いキャビアも展開している」と坂元社長。
「チョウザメが初めて卵を持つのに7~8年かかるため、キャビアは生産量が限られている。しかし、徐々にその数は増えており、日本のキャビア産業の発展のためにも、日本のキャビアメーカーとして今後も輸出を増やしていきたい。将来的には日本ならではのキャビアを作りも視野に入れており、キャビアと言えば日本のキャビアが一番おいしいと言われるように今後も取り組んでいきたい」と意気込む。
対米輸出・販売は5月から開始。6月にはカナダでも輸出・販売開始予定。