高鍋町出身の演歌歌手・水木大介さんが10月29日、7年ぶりとなる新曲「恋の月光仮面」をリリースした。
水木さんは1989(昭和64)年に「潮鳴りの宿」「日向灘」でデビュー。2023年からは同町の「ふるさと応援大使」としても活動している。「宮崎てげてげ音頭」など地元を元気にする楽曲を歌うほか、デビュー35周年記念コンサートを同町で開くなど、地元とのつながりを大切にした活動を続けてきた。
今回の新曲は作詞・作曲を同町の黒木敏之町長が、編曲を同町の安井速人さんが、それぞれ担当。レコーティングは同町にあるスタジオ・イングルサイドで行い、CDジャケットの題字は同町出身の大澤清山さんが手がけるなど、全工程を同町民が担う「オール高鍋体制」で制作した。
黒木町長は「私たちの子どもの頃の昭和のヒーローといえば月光仮面。昭和の男の恋は月光仮面のように諸突猛進で、引き際も良かった。その時代の良さを表現した」と話す。ギターに曲を乗せてデモテープを作り、水木さんへ歌唱を依頼したという。
デモを聴いた水木さんは「演歌しか歌ってこなかった自分にロック調の曲は難しいと思ったが、何度も聴くうちに自分が歌うことで喜んでもらえるならと必死に練習した」と振り返る。デビュー以来37年間、水木さんと共に歩んできた安井さん。「歌唱力の高い水木さんでもロック調は難しいと思ったが、見事に歌いこなした」と太鼓判を押す。
衣装も曲に合わせて一新。これまでは和装が中心だったが、今回は月光仮面をイメージし、白いハット、白い衣装、白い靴と全身を白で統一。同町内で行われた新曲発売記念イベントにはオリジナルタオルを肩にかけて登場し、約200人の観客から歓声が上がった。「曲を披露すると、つえを突いていた高齢の方も立ち上がってタオルを振ってくれるなど、皆さんとてもノリノリでうれしかった」と話す。
水木さん、黒木町長、安井さんの3人は「この曲で来年は紅白歌合戦に出場」を合言葉に、さらに盛り上げていきたいと話す。黒木町長は「音楽や芸術を通じ、アート分野での移住・定住も進め、魅力あふれるまちづくりを進めたい」と先を見据える。
CD「恋の月光仮面/さだめ川」(1,300円)はアマゾンやHMVオンラインなどで販売している。