宮崎市の会員制バー「TOURS BAR」(宮崎市橘通西)で店長見習いとして働く松下裕紀さん(24)が現在、市の中心部にある商店街「一番街」で「金のシャチホコ」をモチーフにした路上パフォーマンスを行っている。
パフォーマンスに興味を示した人が集まり、人だかりができる時も
松下さんは9月、バーテンダーとしての見識を広めるためにヨーロッパへ出立。アイルランドでのギネスビール工場見学やドイツでのオクトーバーフェストへの参加を予定していたが、往路の飛行機の手配にミスが生じ、出国時にはほとんどの所持金を使い果たしていた。渡航先での生活費や旅費は現地の知人などを頼りに現金を借りることができたが、帰国時には約15万円の負債を負うこととなった。
松下さんは現在、返済のために深夜0時ごろから市の中心部にある「一番街」で路上パフォーマンスを行っている。クレジットカードの引き落とし日である11月6日までに15万円を集めようと試みている。松下さんは「アルバイトをして稼ぐことも考えたがカードの引き落とし日が近く、何とか別のアイデアで稼ぐことができないかと考えた」と話す。
路上では出身地である名古屋市のシンボルでもある「金のシャチホコ」をモチーフに、金色の全身タイツをまとった姿で右足と左手のみで全身を支えた「シャチホコポーズ」を取る。観客がパフォーマンスに任意の金額を払うと、松下さんは1分間休憩ができるというルールを設ける。10月29日現在、5万3,014円が集まっている。
「始めた当初はなかなかお金が集まらなかったが、通りすがりの人やSNSでこのチャレンジを知った人が応援してくれている。シャチホコのタイツは、よりリアリティーを出そうと、宮崎市で活動する書家の黒蛇さんにうろこを描いてもらった」と松下さん。
松下さんは日々のパフォーマンスの他にも、ウェブ上で「金のシャチホコ(僕)を飾る権利」も販売。購入者が希望する時間(応相談)に松下さん自らがシャチホコのポーズを取るサービスも提供する。「祝い事や店の新装開店時などに駆け付ける『縁起物』として、ぜひ購入してほしい」と松下さん。
「切羽詰まっていたが、せっかくならば人を楽しませながらお金を稼ぐことができないかと考え、このアイデアに至った。温かく見守ってほしい」とも。