VR技術を活用した「宇宙のゆりかご」の体験会が6月9日、MRTmiccホール(宮崎市橘通西)で開催される。主催は「宇宙のゆりかごプロジェクト」。
「宇宙のゆりかご」は、頭に装着したVRヘッドセットの映像とソファ型のブランコの動きを連動させて浮遊感を体験する装置。2015(平成27)年、「コスミックプランニング」(都城市)の丸野勇さんの発案から始まり、「IK堂」「南榮工業」「テクノライフ」「よしみカメラ」の4社が加わってプロジェクトが始動した。丸野さんは「元々、空や宇宙に憧れがあった。無重力について研究していくうちに浮遊感というテーマが浮かび、無重力を体験できる装置を作りたいと思った。また、都城の地は以前からスカイスポーツが盛んで、浮遊感の大きなヒントはそこから得ている」と話す。
研究開発の過程では、バランスボールやプールを使用するなど浮遊感のリアリティーを求め試行錯誤が続いたという。深い没入感を追求した結果、ソファは胴体と脚の角度は、人が宇宙空間で脱力した時に形成される、身体に最も負担のかからない「中立姿勢」のおよそ128度を採用。また、独自に開発した多重バネを使い、取り付け角度・位置などを微細に調整し、ヘッドセット無しでただ座っただけでも浮いた感じがするように設計したという。開発に携わった「IK堂」の池田和広さんは「ソファが動く際に生じる音が没入感への妨げにならないよう、音を極力抑える改良を加えた」と話す。南榮工業の石神憲一社長も「初めて試作品を体験した時、スリル以上に浮遊感によるリラクゼーション効果を追求できると感じた」と振り返る。
完成した「宇宙のゆりかご」では映像などを変えることで、リラックス体験、アトラクションの様なスリル体験、旅行体験などが可能になるという。丸野さんは「身体的制約や空間的、時間的制約などにとらわれず、誰でも浮遊感を体験できる。今回の体験会で、ぜひ多くの人に試してもらいたい」と話す。「今後はドローンで撮影した映像を『宇宙のゆりかご』でリアルタイムに体験できるようにしたい。『宇宙のゆりかご』向けコンテンツが自由な発想で国内外問わず幅広く開発されるようになれば、体験できることは無限に広がっていくと思う」とも。
開催時間は13時~18時。体験定員数は先着順で60人。参加無料。問い合わせは南榮工業(TEL 0986-27-5060)まで。