宮崎市の穆佐(むかさ)エリアに廃校を利用したカフェ「MUKASA Coffee&Roaster」(宮崎市高岡町、TEL 0985-83-0306)がオープンして半年がたった。
九パンのロゴマーク「合鴨ちゃん」を焼き印した山パン(右)と角パン(左)
同カフェをはじめ、飲食店などを運営する一平ホールディングス(宮崎市)は、新型コロナウイルスの影響により、タリーズコーヒー宮崎橘通り店など3店舗を閉店した。同社の広報部ホスピタリティ推進室の井谷雪さんは「タリーズが閉店した際に、『お店のかけら』ともいえる思い入れのある家具を利用して何かできないかと考えた。これからの時代は地域が重視されるので、良いものを作れば街中から離れた場所でも足を運んでくれるのではないかと思った」と同エリアで開店した経緯を話す。
提供するコーヒーは「自家焙煎(ばいせん)で生の豆から選定して、コーヒーの一杯になるまで育てる」をコンセプトに、「本日のコーヒー」(400円~)、「カフェラテ」(350円)などを用意。コロナ禍で工場も閉店し販売休止していた自社ブランドのパン「九(きゅう)パン」も復活させた。熊本県玉名産の小麦ミナミノカオリなど全ての原料を九州各県から取り寄せ、店内のオーブンで焼き上げる。
「当店のパンはファンが多く、閉店後も問い合わせが多かった。また買えるようになってうれしいと反響が大きい」と井谷さんは話す。九パンは、「山パン」(480円)や「角パン」(2斤=840円)といった食パン、「しおパン」(150円)、「マルゲリータ」(220円)などの調理パンなど。コーヒーと共にイートインやテイクアウトで購入できる。
最大100人が収容可能なコワーキングラウンジやレンタル会議室を備えるコワーキングスペースとしても営業する。
井谷さんは「地元のおじいちゃん、おばあちゃん、お子さんがいる家族が来られるようになり地元密着の店になっている実感があり、店内の雰囲気もとても良い。九パンファンの人たちも市内中心部から買いに来てくれるようになった。継続して高岡町のことも発信していきたい」と意気込む。
営業時間は10時~17時(木曜・金曜は15時まで)。コワーキングスペースは商品購入者が無料で利用できる。月曜~水曜はコワーキングスペースのみの営業で、ドロップイン利用は1日=500円。