都城の「お菓子の南香」(都城市甲斐元町、TEL0986-22-4670)が現在、「低糖質マリトッツォ」を販売している。
同店は1901(明治34)年創業の老舗菓子店。新商品の低糖質マリトッツォを開発した4代目遠武大輔さんは、福岡で和菓子、洋菓子の修業を積んだ後、地元に戻って14年になる。今回のマリトッツォをはじめ、独自レシピを常に模索する遠武さんは「和菓子、洋菓子を基礎から積み重ねてきた経験があってこそ新しい挑戦ができる。自分にしかつくれない価値を生み出していきたい」と話し、常に知識や情報を取り込み菓子作りのアイデアを膨らませる。
同店の低糖質マリトッツォは「生バニラ」(432円)、「透明チョコ」(453円)の2種類。天然甘味料のラカントなどで甘さを出したクリームと、全粒粉や和菓子の材料を取り入れた生地で、糖質を抑えながら、クリームと生地の味わいや食感のバランスにこだわった。「いくら低糖質でもおいしくなければ意味がない」と遠武さんは話す。
「生バニラ」のクリームは3層から成る。「外側から生クリーム、バニラクリーム、カスタードクリームと徐々に甘さと比重を上げていくことで低糖質ながらも脳が『甘くておいしい』と感じるトリック」と遠武さんは説明する。高品質のチョコレートを使った「透明チョコ」は2層から成り、甘さ控えめのクリームの内側に濃厚チョコレートを仕込む。
おいしさを第一に追求した上で低糖質にこだわる理由について、遠武さんは「宮崎県には糖尿病を患う人が多く、妊娠糖尿病の話も聞く。お菓子を食べることで『糖質を取りすぎてしまった』と罪悪感を抱くのではなく、純粋においしいと感じ幸せな気持ちになってほしい」と話す。
「お菓子は人々の暮らしを彩り、冠婚葬祭や日々の贈り物として人の縁をつないできた。そうしたお菓子の文化を守り伝えていくと同時に、人々の健康を維持していく取り組み、それは自分にこそできるSDGsではないかと思っている」とも。
営業時間は8時30分~19時。