古書店「ポロポロ書店」(宮崎市橘通東3)が、中心市街地の若草通りにオープンして1カ月がたった。
昨年12月25日にオープンした同店。早起きは苦にならないという男性店主の「しらたきめん」さんが、オープン初日は朝6時に開店。営業する曜日と時間は店主のスケジュールで決めるため、今後も早朝に開店することもあるという。開店時間や店に置く本の情報はインスタグラムで公開する。
店名は田中小実昌の小説「ポロポロ」から付けた。店には同書をはじめ文庫本や写真集、アートブックなど数百冊が、以前は倉庫だったという狭い店内に所狭しと並ぶ。昨年9月に開店を決意し、店主の手持ちの本を置くところからスタートした。今後も持ち込みの本の買い取りなどは行わず、全て店主が選ぶ古本を置く予定。
現在は宮崎出身の女性アーティストのまくらさんが即興音楽で作った店のテーマ曲のCD「ポロポロ」(500円)、「ポロポロボールペン」(200円)も販売。宮崎のミニコミ誌の「サルママ」も販売している。客は店主に許可が降りればフリーペーパー類を持ち込み、設置できる。
ほかにも、店内にはユニークなアイテムが並ぶ。「手書きの文字が好き」という店主が、来店客に何か書いてもらうノート「紙のSNS NOTE」を設置し、店内には手作りの尺八や店主が集めたグッズなど、個性的なアイテムをディスプレーする。店の情報とその号の筆者が書く読み物を載せた「新聞」も不定期で発行する。第1号は近隣で営業するタイ料理店「ストロボキッチン」の店主「マーボさん」が旅について執筆。完売したため、増刷した。
来店していた女性客は「入り口に金色で書かれた店名を見て、『面白そうな店だ』と思って来店してみた。ウラタチ(橘通りの奥にあるエリアの俗称)を盛り上げてほしい」と話す。店主は「こういう店にしたいという目的がはっきりあるわけではないが、新聞を出したいとは思っていた。これからはいろいろな人に執筆してもらいたい」と話す。