宮崎県日南市の飫肥(おび)地区で3月10日~18日の9日間、アートやプロジェクションマッピング、マルシェなど6つの企画を展開する「DENKEN WEEK」が開催される。主催は「飫肥城下文化財を活用した観光まちづくり事業協議会」。
武家屋敷として栄えた城下町の街並みが残り、「九州の小京都」とも呼ばれている同地区。今年で「伝統的建造物群保存地区(デンケン地区)」選定40周年を迎えることから、同イベントはその節目の催しとして開催する。飫肥のまちなみ再生コーディネーターの徳永煌季さんは「ここ数年、飫肥の観光基盤の整備に努めてきた。観光客は日本人だけでなく、アジアや欧米からの外国人観光客も多いが、飫肥地区は夜の過ごし方に幅がなく、新たなコンテンツの創出を模索していた。今回のイベントでは夜も街を楽しむことができる企画を用意しているので、昼に観光客に見せる表情とは違う飫肥の魅力を感じてほしい」と話す。
イベント期間中は歴史絵巻プロジェクションマッピングを上映する「DENKEN PJM」や地域の食材を東京のシェフが料理をする完全予約制の「DENKEN ガストロノミー」、文化財の中で映画を楽しむ「DENKENシネマ」などの企画を、同地区のさまざまな場所で展開。3月10日には小村記念館(飫肥4)などでオープニングイベントも行う。
同イベントは、徳永さんが取り組む事業に共感し同市に移住した日南市非常勤特別職の小田切俊彦さんが取り仕切る。小田切さんは「今回の企画は、文化庁が募集する観光拠点形成重点支援事業で選定された。今全国を飛び回りながら準備を進めている。観光客はもちろん、地元の方にも非日常的な飫肥の空間を楽しんでもらいたい」と意気込む。