宮崎の乾燥食品会社「フードマーク」(宮崎市佐土原町東上那珂)のオリジナル文具「ichi-clip(イチクリップ)」が10月10日、ヨーロッパの国際的デザインアワード「BIG SEE Product Design Award 2025(ビッグ シー・プロダクト・デザイン・アワード)」の製品プロダクト部門でグランプリを受賞した。
バネの原理を応用し、ステンレス線を使った構造の同商品。先端を反転させることで、コピー用紙から厚みのあるものまで挟める。2022年9月に発売すると、同10月には「グッドデザイン賞」を受賞した。
今回の受賞はアジア初。審査員からは「構造と美しさの調和が取れた、まさに普遍的な道具」「メード・イン・ジャパンの精密な技術が日常の中に自然に溶け込んでいる」などの評価を得た。
代表社員の広本秀一さんは「次の100年のスタンダードを目指してデザインした、たった一本の線から成る道具。日用品にもまだ新しい形や考え方があることを伝えたくて作った」と話す。「小さな工場で生まれた商品が、ヨーロッパの舞台でこのような評価を受けたことは大きな励みになった」とも。
9月には、製造と企画開発の拠点であるラボを移転し、リアル店舗「ひなたの商店」も新設。「誠実なものづくりで宮崎から世界につながると信じ、小さくても長く愛される道具を生み出していきたい」と話す。
同商品(ノーマル・ワイド)は792円。店舗やオンラインショップなどで販売する。