
宮崎のパン店「らいふのぱん」(宮崎市大坪町、TEL 0985-53-6661)が3月29日で閉店する。
1987(昭和62)年に創業した同店。「食の安全を考えていきたい」と主婦仲間と「木花自然農法研究会」を立ち上げ、野菜の栽培など自分たちで食材を作る取り組みからスタートした。社長の山路裕敏さんと専務のまり子さんは「活動を続けていくと次第に卵や牛乳、米など、『安心できる』と感じる生産者に出会えたが、パンやお菓子は手に入らなかった。『それならば自分たちで作ろう』という単純な考えで開業した」と、これまでを振り返る。
同年7月、同店を南宮崎駅近くに出店して以来、食材選びの大切さや環境問題、病気の勉強会など「生活・生物・人生・生命」に関する情報を発信し続けてきた。パンやお菓子には国産小麦をはじめ、地元生産者が作る牛乳や卵などを使ってきた。2000(平成12)年には現在の場所へ移転し、レストラン部門を新設。「らいふランチセット」(1,300円)や「いきいきサラダセット」(1,200円)、「自家製ソーセージセット」(1,550円)など「健康を考えた食事」を提供してきた。
連日多くの客でにぎわう中、原材料費の高騰や裕敏さんの大病などを理由に閉店を決心。発表以降は、閉店を惜しむ人が連日来店しているという。
2人は「引き継ぎたいという声も頂いている。この思いを受け継いでくれる人がいたら後継を託したいとも思うが、今はいったん幕を閉じて、自分の気持ちがどう動くかを見ながら今後を考えたい」と話す。
営業時間は8時~19時30分(ランチは11時~14時)。日曜・祝日定休。レストランの営業は28日まで。