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宮崎で映画「中村地平ドキュメンタリー」試写会 地元を見つめ直す機会に

映画の題材になった中村地平さん

映画の題材になった中村地平さん

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 宮崎市出身の小説家・中村地平さんを題材にした映画「中村地平ドキュメンタリー映画」の試写会が3月19日・20日・23日・24日、宮崎市内と都城市内で行われる。

映画のチラシ

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 1908(明治41)年、宮崎市内に生まれ、宮崎太陽銀行創業者の中村常三郎さんを父に持つ地平さん。「熱帯柳の種子」で文壇デビュー後、多数の作品を発表。「北の太宰、南の地平」といわれ芥川賞候補にもなるなど、南方文学を提唱する作家であった。終戦後は地元・宮崎に戻り、宮崎県立図書館の館長を務めるなど地方創生にいそしんだ。

 脚本・監督を手がけた小松孝英さんは、3年に1本ドキュメンタリー映画を製作しており、2021年には宮崎出身の画家・塩月桃甫のドキュメンタリー映画を製作。その際に塩月さんの教え子だった地平さんの活動が気になり始め、3年前、地平さんの調査を始めた。「地平さんは小説を通して、台湾やシンガポールなどのさまざまな立場の人たちの暮らしや考え方を伝えていた。多様性がうたわれる今こそ、見直される時だと思う」と話す。

 約80分ある本編では、地平さんや当時の宮崎や台湾などの写真や映像、ナレーションで地平さんの生涯を振り返る。映像には、地平さんの娘や、地平さんを研究する宮崎や台湾の大学教授、県立図書館で共に働いていた人など国内外の関連人物が登場し、地平さんの人柄や作品、当時の時代背景や文学などについて語る。

 小松さんは「この映画をきっかけに、若い人たちに宮崎の近代の歴史や地平さんのことを知ってもらい、今一度、地元を見つめ直してもらえるとうれしい。台湾のことも深く知ることができる内容になっているので、台湾にも興味を持ち実際に足を運ぶきっかけになれば」と意気込む。

 上映時間は、19日(宮崎市民プラザ・オルブライトホール)=19時~、20日(宮崎県企業局庁舎・県電ホール)=13時~/15時30分~、23日(宮崎県立図書館)=10時~/14時~、24日(都城市立図書館)=10時~/14時~。入場無料。23日・24日のみ要予約。

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