宮崎市がインターネット上で電子書籍を貸し出す「宮崎市子ども電子図書館」を開設して、5月13日で1カ月たった。
ホームページのトップ画面。同市教育委員会生涯学習課の大野路子主任主事らがホームページのデザインを考えた
子どもの読書習慣の向上を目的に、交通手段の限られた子どもたちが図書館へ行かなくても本を読めるサービスとして県内で初めて始めた。
同館には、同市の学校司書11人が選書した3630冊がそろう。利用には宮崎市図書館の利用者カードのIDとパスワードが必要。一度に貸し出しできる冊数は1人2冊、貸出期間は14日間で、期間が過ぎると自動で返却される。予約点数は2点まで。担当する同生涯学習課の津江健太郎係長は「電子書籍なのになぜ予約が必要なのかと質問を受けることが多いが、ライセンス購入しているため同時に読める本は1冊につき1人まで」と話す。
電子図書館を初めて利用したという前田花朋さんは「紙の本と同じように読めた。画面上でタッチして本を選ぶのは楽しかった」と話す。母親の前田圭子さんは「自宅で読める手軽さがいい。図書館に子どもを連れていく時間のない親にとってありがたいサービスなのでは」と期待を寄せる。
津江さんは「電子図書館の蔵書のうち約500冊は1年間の有期契約で、複数アクセス可能なジャンルを設けている。ストレスなく本を読めて、毎年新しく入れ替わることで子どもたちの興味が継続するように努めた。図書館の利用を取っかかりに、さまざまな分野や作者の本に触れて実際に図書館にも足を運んでもらえれば」と意気込む。