お茶の専門店「大隅茶全」(都城市中町、TEL 0986-70-0640)が12月3日、複合施設「テラスタ」にオープンした。運営は「堀口製茶」(鹿児島県)。
同社社長の堀口大輔さんは「大隅のお茶の全てを体験できる場所。さまざまな形でお茶に触れてもらうことでお茶の裾野を広げたい」と話す。
店内には3つのテーマ「伝統」「現在」「未来」に分かれてさまざまな種類のお茶が並び、茶葉の特徴が表示されている。堀口さんは「3つのテーマは根本でつながっている。普遍的なものの中に新しいものを取り入れ融和していく、そうした『不易流行(ふえきりゅうこう)』の価値をお客さまに体験してほしい」と話す。「日本茶AWARD2022」で賞を受賞した「カクホリ紅茶べにふうき」(20グラム=1,404円)や一番茶を使った鮮やかな緑色の「茶畑のチーズケーキ」(3,240円)も用意する。「温かいお茶に合いお土産やプレゼントにも最適」と堀口さん。
店舗には「茶の場」と呼ぶ茶室をしつらえる。室内はイチョウの一枚板のテーブルを配置し、茶香炉の香りがするという。大隅の茶畑で録音したという鳥のさえずり、風の音、足音が音楽となって流れている。堀口さんは「ホストが客人をもてなす場や仲間同士でお茶を楽しむ場として、形式にとらわれることなくお茶をたしなんでほしいと思い作った。お茶と共にこの空間に流れる時間そのものを体感してほしい」と説明する。同店の設計を手がけた建築家の佐野文彦さんは「昔からあるお茶の伝統や既存の概念、堀口さんのお茶農家ならではの思い、今までと違う新しい挑戦を融合させた空間を作った」と話す。
ドリンク類はセルフレジで注文・精算する。「ブレンド」「シングル」「釜炒り」「ほうじ茶」(以上350円~)などのお茶類のほか、「抹茶ラテ」「あらびきほうじ茶ラテ」「和紅茶ラテ」(以上550円)なども用意。窓際のカウンター席で飲めるほか、テイクアウトも可能。
堀口さんは「ここから世界へお茶を発信していけるような場所にしたい」と話す。
営業時間は8時~19時(土曜・日曜・祝日は10時~)。茶の場は1時間の予約制で2~6人で利用できる。