JAグループ養豚事業ミライ研究プロジェクトが「JA宮崎経済連養豚実証綾繁殖農場」(綾町南俣)の運用を始めて1カ月がたつ。
2017(平成29)年に発足した「JA全農」「全農畜産サービス」「フロントサークル」「JA宮崎経済連」の若手職員有志による同プロジェクトは、宮崎県の養豚生産者が高齢化に伴い養豚業を諦めざるを得ない現状を踏まえ、「生産者と消費者から選ばれる仕組みの再構築」をミッションにしている。
今回完成した同農場では、家族3人で1500頭規模の農場運営ができることを想定。母豚1000頭を有する肥育農家が、ここで生まれた子豚を70日間、30キログラムになるまで肥育するための育成舎、繁殖舎、分娩(ぶんべん)舎、子豚舎などの施設を整備した。多くの候補地から疫病対策や車の往来が少ない場所を選んだという。夏の暑さに弱い豚を考慮し、豚舎には天井の換気がしやすく清潔さを保つことのできる「ふん尿分離・ウインドレス方式」を採用している。肥育後は高崎町の肥育施設に送られ「宮崎ブランドポーク」や「ひなた美豚(びとん)」として出荷される。
JA宮崎経済連畜産部養豚農場運営課の落合哲課長は「圧倒的な生産性で誰でも養豚が長期間できるように、県内生産者への技術や知識の提供、生産基盤の維持・拡充を担うモデル的な農場となると思う。農家の負担が減ることをきっかけに、加工業者の負担も減少するなどの波及も期待できる」と話す。