イベントスペースを備えた間貸し飲食店「kiaora（キオラ）」（宮崎県東諸県郡綾町北俣）がオープンして1カ月がたった。

キオラの外観

　5月1日、キッチン、テラス席を含む飲食スペース、イベントスペースにもなる庭を備える店としてオープンした同店。以前同じ場所で営業していた飲食店が閉店して空きスペースになっていたところ、所有元の「コーポレーション・クリエイト」（西都市大字下三財）に、同町でオーガニックカフェ「yawaraya」を営む矢野美幸さんが間借り形式の運営方法や店舗デザインを提案。矢野さんが業務委託を受ける形で営業が始まった。

　矢野さんは「店名の『キオラ』は、ニュージーランドの先住民族が使うマオリ語のあいさつの言葉。親愛なる人などポジティブな意味がこもっており、ここからたくさんのお客さまとつながっていきたいという願いを込めた」と話す。

　同店を間借りできる飲食店の条件として「オーガニックやビーガンなどの食べ物へのこだわりを持つ人や、食や社会への影響に対してしっかりと向き合える人」に限定しているという矢野さん。「卵や肉を使いたい場合は、餌や飼育法にこだわりを打ち出せれば許可している。当店に出店する人々が食に対するこだわりを発信することで、環境に良い循環が生まれることを目指している」と話す。5月中は町内で起業を予定する無添加、無化学調味料のラーメン店や、天然酵母のベーカリーなどが日替わりで営業した。店舗利用予約が空いている日などには「yawaraya」のメニューも提供する。

　店内にはボルタリングや上映会ができる室内キッズスペースがあり、毎週月曜にはヨガ教室も実施している。キッズルームや店舗に隣接する庭を利用して、飲食店だけではなく、ワークショップやイベントの開催もできる。

　2015（平成27）年に綾町に移住してきた矢野さんは「現在、移住希望者向けの宿泊施設の建設を予定している。これまでも綾町へ移住を考える人の相談を多く受けてきたが、移住の足掛かりになる安く宿泊できる場所がなかった。キオラでの移住者の就労支援も絡めて、大好きな町の移住促進に貢献したい。当店をきっかけとして、町外の人たちと交流する機会にもなれば」と話す。

　出店情報や営業時間はインスタグラムで報告する。