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【ひなたさんぽ】高鍋町長が個人SNSで町内飲食店を食レポ その理由と高鍋への思いとは

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ひなた宮崎経済新聞では、「街の小さな変化を追いかける」をモットーに、県内のハッピーニュースをお届けしています。しかし、宮崎には日々のニュースでは追いきれない魅力がいっぱい。そこで今回からの新連載「ひなたさんぽ」では、編集部メンバーが個人的に気になる街のアレコレについて、自由に紹介していきます。

 

飲食店オープンの関連記事を執筆することの多い編集部の唐津です。食べることが好きで日々SNSをチェックしている私ですが、とある日少し変わったSNSを見つけました。それは、高鍋町の黒木敏之町長のフェイスブック。同アカウントでは5月23日から、同町にある飲食店で注文したランチメニューの内容や味を、写真と共に紹介しています。

 

最初に訪れた旬魚菜「だいこんや」(黒木町長のFacebookより)

 

例えば、5月24日に訪れた「イタリア食堂・TAWARA」で「牡蠣とベーコンのクリームソース」パスタ・ランチを食べた際には、

 

「アルデンテに茹でられたパスタに『トマト』『クリーム』『魚貝』『チーズ』『バジル』5種類のソースと食材、火入れと合せ技は見事!絶妙!旨(うま)い!感動!生きてて良かった!」

 

とコメント。

 

5月27日に老舗コーヒー店「珈琲(コーヒー)ブレーン」で「ビジネスランチ」を食べた際には、

 

「ご飯にタレが染みて、うゎッ!旨ッ!」

 

と投稿するなど黒木町長のユニークで率直な感想が記されているのが特徴的です。

 

40軒目に訪れた「本家たかしま」の「あら煮定食」(黒木町長のFacebookより)

 

そして食レポの文末には店の歴史などを紹介し、南九州の風土を語り、食の魅力を伝える小さな町があることを添え、必ず「高鍋って良いよね。」で締めています。

 

では、なぜこのような投稿を始めるようになったのか。黒木町長に直接お話を聞いてみました。「コロナ禍を経て、飲食店は厳しい状況から再生に向けて頑張っています。そんな町内の店について知ってほしいとの思いから始めました」と黒木町長は振り返ります。

 

続けて「店を巡っているとご主人たちの人生ドラマや努力、人情などが料理に込められていることに気づきました。こうした人情味も伝えるために、味わい以外のことも(投稿に)記載しています」と話します。

 

「本家たかしま」の2代目店主と母。訪れた店の店主とのコミュニケーションも楽しむ(黒木町長のFacebookより)

そんな黒木町長が投稿を始めたのには、もう一つの理由があるそう。それは「『農泊』を進めていきたい」という思いです。

 

「農泊」とは、農山漁村に宿泊し滞在中に地域資源を活用した食事や体験などを楽しむ「滞在型旅行」のことで、観光客と関係人口の創出を図る「農と食と観光」の取り組みのこと。

 

この取り組みを通し、高鍋町の地域活性や地方創生に繋げたいと黒木町長。「農泊の推進には、食の源である『農家と飲食店の連携』が重要になってきます。当町は小さな町ですが飲食店が多く食の町でもあり、熱心でやる気のある農家も多くいます。『食と農』『食材と料理人』『畑と飲食店』の連携の強化を図ることは、この地の農家の存在意義を高めて、飲食店の評価と魅力をさらに増すことにもなるはずです」。

 

Facebookの食レポ投稿は、高鍋町の魅力を引き出し、活性化させる取り組みの第一歩でもあるのです。10月3日には、48店舗目の食レポ投稿を行った黒木町長。町内の飲食店を巡り、町民と交流を深める旅はこれからも続きます。

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