人工呼吸器やたん吸引などを24時間必要とする医療的ケア児と、その家族を支援する一般社団法人「RIPPLE(リップル)」(宮崎市矢の先町、TEL 0985-69-2545)が、子どものケアやその母親に働く場所を提供する施設を開業して4月1日で4カ月を迎える。
自身も医療的ケアが必要な娘を持つ愛甲晃子さんが代表を務める。愛甲さんは「長年医療的ケアが必要な子どものケアと、そのケアで働くことが難しい母親を支援したいという思いがあった。このような医療的ケアが必要な子どものデイサービスとお母さんたちが就労できる施設は、県内だけでなく全国でもほとんどないと思う」と話す。
同施設は0歳~未就学児が対象の児童発達支援と、6~18歳が対象の放課後などのデイサービスの多機能型重心児デイ「Peace(ピース)」、医療的ケア児家族のワークコミュニティールームから成る。ワークコミュニティールームでは母親たちが子どもを預けた後、着物リメークや菓子のラッピングなどの仕事を行うことができる。「Peace」を利用した子どもが訪問入浴事業者によって風呂に入れてもらうことができるように、風呂も設置。「医療的ケア児の入浴はとても負担がかかるので、当施設で入浴して帰宅できるのは家族の負担軽減になると思う。同様の取り組みが全国に広がっていけばうれしい」と愛甲さんは話す。
「同じ悩みを持つお母さんたちがここで話をしつつ、仕事ができているのがうれしい。子どもを預ける場所があることで、お母さんが自分の時間を持てるようになっていると思う。これからも医療的ケア児を取り巻く社会的課題を、地域の皆さんと一緒に考えていきたい」と話す。
開所時間は10時~17時30分(土曜は15時30分まで)。第1・3土曜・日曜定休。