西都市が運営する「18歳の図書館」が現在、コワーキングスペース「ATOMica宮崎」(宮崎市橘通西3)で出張開館している。
同プロジェクトは2024年、若者の移住・定住を目指す取り組みの一環として同市で始まった。地方からの若者の流出という課題に、「引き止める」のではなく、「若者の挑戦を応援して、いつか帰ってきてほしい」という視点でアプローチする。
同プロジェクトでは「18歳に、3年後もう一度読んでほしい本」を3年間貸し出す。本を選んだのはさまざまな業界で活躍する著名人、そして西都市内・宮崎県内で活躍する身近な大人。参加者は、背表紙に書かれた選書者からのタイトルだけを手がかりに、1冊の本を選ぶ。借りる際のルールは「3年後の自分宛てに読書感想文を送ること」。感想文の上半分に今の気持ちを書き、下半分は3年後の自分のために空欄にして提出する。そして3年後、当時の自分からの手紙が届く仕組み。その際、半分空欄となっていた読書感想文を完成させ、本とともに返却する。
会場のATOMica宮崎は、宮崎市と連携して「中高生の居場所づくり事業」を展開している。コワーキングスペースを土曜・日曜、中高生に無料開放していることから、ターゲットが一致するとして選ばれた。
同プロジェクトを運営する一般社団法人「KOKOKARA」の山口雄大さんは「若者の流出を防ぐことは彼らの可能性を狭めることになってしまう。若者の挑戦を応援して、将来、西都に貢献したいと思ってくれる仕組みを作るのが目的」と話す。同プロジェクトは2024年に西都市の妻高校で初めて開催され、2027年の成人の日に初めての返却の機会を迎える。初めての返却について、「貸し出しの日、プロジェクトの説明時のキラキラした顔や、感想文を書くときの真剣な顔が印象的だった。3年たって、どんな表情をしているかが楽しみ」と山口さん。
ATOMica宮崎で実際に本を借りた大宮高校の3年生は「まず3年間も借りられることに驚いた」と話す。返却を迎える3年後の自分を見据え、「今は大学受験に向けて頑張っているが、3年後は大学3年生になり、自分の夢に向かっている最中だと思う。今の経験を思い出して諦めずに頑張ってほしい」と未来の自分にエールを送る。
「人生の先輩である大人が選書した本と出合える体験のため、当然分からないことも出てくる。ただ、分からないものと出合うのは新しい扉に出合うということ。だからこそ、分からないことをポジティブに捉えているし、3年間でさまざまな経験をして分かるようになっているかもしれない」と山口さん。
開催時間は10時~18時。開催は2月28日までの土曜・日曜のみ。